黒帯のしお
琴似という町は立派なラーメン激戦エリア。
「山桜桃」「弟子屈」などの人気店でも知られている場所ですが
一昨年のオープン以来、ネットなどでも評判を呼んでいて
非常に興味を持っていたのが「らぁめん道場黒帯」というお店です。
場所は札幌市北区新琴似6条。
カーナビに住所を入れて辿り着いたら「庭田」という
ラーメン店に連れて行かれてしまいました(^^;
おやおや、と思ってあたりを調べてみると
同じビルにこの「黒帯」も入っているのですね。
表通り沿いに「庭田」、脇の通り沿いに「黒帯」です。
青い大きな垂れ幕に店名が掲げられていて
脇の通りに入れれば絶対に見落としません。
駐車場も道を挟んだ斜向かいに完備しています。
ラーメン店というよりも日本蕎麦屋のような雰囲気の店内には
墨で書かれたお品書きと共に食材表が張られています。
有機丸大豆醤油、道産大豆無添加味噌、内モンゴル天然岩塩
大分県原木椎茸、道産軟白葱、長崎平戸産無添加煮干…
これでもかというくらいこだわりの食材が並びます。
和食の料理店を営んでいた方が開いたお店とのことで
繊細なラーメンが出てくるのではと、期待も高まります。
メニューは「しお」「みそ」「しょうゆ」の他に
平日1日10杯限定の「ぢどりしお」もあります。
残念ながら限定は終売になっていましたので
連れもいたので「しお」と「しょうゆ」を頼んでみました。
出てきたラーメンは期待を裏切らない
上品でお洒落なビジュアルをしていました。
手作り感ある小洒落た器の中にラーメンが入り
小鉢には厚焼き玉子や海苔巻き、漬物が入っています。
和食は器を含めビジュアルに命を懸ける部分がありますが
その「和食魂」がビシビシと感じられるビジュアルです。
もうこの時点でかなり期待値は上がってきます。
やはり食べ物は見た目って重要なんですよねぇ。
スープは白濁した豚骨&鶏といった動物系に
煮干しや昆布などの魚介系旨味が加わっています。
動物系の甘い香りと魚介系のダシの香りに加え
スープに浮かべられた大量の焦がし葱が香ってきます。
さらにそこに燻製されたチャーシューの燻した香り。
とにかく食べる前から香りが次々と攻めてくるのです。
ラーメンに精通されている食べ手の方だと
焦がし葱に燻製チャーシューの香り、
なんて聞くと興ざめしてしまうかも知れません。
しかし、この複数の旨味と香りの要素を
実に上手にまとめ上げているのは立派です。
そして塩味も丸く出ていてバランスが非常にいい。
突出しているモノが一つとしてないにも関わらず
物足りなさを感じさせないのは技術なのでしょう。
醤油も同じくまろやかな味わいになっていて
しつこさは感じず、物足りなさも感じず。
非常に上品でかつ繊細で、深いスープです。
また焦がし葱や揚げ葱というモノは、基本的に否定派なのですが
このスープにおける焦がし葱は、ちゃぶ屋の揚げエシャロット同様に
私的には必須というか、ピッタリといった感じです。
またチャーシューの燻した香りも、このスープに合っています。
麺はさがみ屋の中太縮れ麺で、茹で加減は固めです。
特筆すべき麺ではありませんが、スープをよく拾ってきます。
この味わい、このバランス、このベクトルは
非常に「東京的」な一杯といえます。
新しいというか、今流行のというか。
札幌に今まで無かった、というのも分かります。
琴似で出逢ったラーメンは、しみじみと美味しく
かつ新しい味わいの一杯でした。
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