2006/01/14

熊の自家製餃子

を再訪しました。
私のラーメン食べ歩きのルーツは「桂花」ですので
やはり他のラーメンよりも九州豚骨、特に熊本ラーメンには
特に思い入れが深いように自分でも感じます。
そしてやはり食べ歩きを始めた頃に知った淵野辺の人気店
「肥後っ子大石家」出身者のこの店というのは
ちょっと気になるお店だったりするわけです。
そんなわけで再訪。

kmrこの日いただいたのは「ラーメン並」に
チャーシュー(バラ)と味玉トッピング。
この店の基本チャーシューはモモ肉なのですが
トッピングとしてバラ肉が用意されています。
これは甘くじっくりと煮込まれた一枚肉で
チャーシューというよりも角煮に近いです。
スープは相変わらずすっきりとした味わいで
素性のいい、重さのある自家製麺ともよく絡みます。
修業先では麺については打ち立てを提供するようですが
この店では数日寝かせたものを提供しているそう。
店内にある製麺機で毎日麺を打っています。

実はこの店ではその製麺機を使って、
なんと餃子の皮も作っています。
そんなもの、製麺機があるなら簡単だろうと
思われる方もいらっしゃるかも知れませんが
これが簡単なようでいて面倒な話なんですね。

麺の生地と皮の生地が同じなら、確かに簡単です。
麺として切るか、皮として抜くかの違いですから。
しかしまぁたいていの麺の場合、餃子の皮とは性質が違う。
粉はもちろん加水、鹹水の配合から変えなければならない。
しかもその都度製麺機を綺麗に掃除しなければならない。
その面倒な工程を経て、ようやく皮が完成するわけです。
そこに今度は餡を作って入れて、餃子が出来上がる。
それでいて安い値段で提供しなければならない。
それが今はかなりやすい価格で冷凍モノが業界では手に入ります。
まぁバカらしくて一から手作業でやってらんないですよね(^^;
しかしこのお店ではそれをやってくれている。
客にとってはなんとありがたいことでしょう。
ましてやラーメンよりも餃子好きの私(殴打)としては
そういう餃子は嬉しくなってしまうわけです。

kmg大きめの餃子の皮は厚めになっていて
もっちりした食感と焼いた部分のカリッとした食感が
いいバランスで口の中を満たしてくれます。
一つ一つ手作りしている餃子ならではの食感。
ここが冷凍モノと一番違うところなんですよね。
ニンニク不使用の餡で、野菜の甘さが活きています。
添えられる辣油ももちろん自家製辣油を使用しています。
ラーメンのみならず餃子にも目がないという方には
ぜひ一度食べて貰いたい餃子です。

そして気になるお値段ですが…
この餃子が5個で、お値段なんと300円。
安いわ〜、安すぎるわ〜。そして旨いわ〜。
CPが非常によい一品だと思うのですがどうでしょ。
300円やるからこれと同じモノ作れって言われても
まず作れないもんなぁ。。。

一つだけ疑問。
ニンニク不使用の餡って何故なのかしら。
サラリーマンや女性客など臭いを気にするお客さん用?
いえいえ、だってこの店のラーメン、マー油ガンガンですから(^^;

【関連記事】熊のスライスチーズ
【熊@柏レポ】

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2006/01/08

にかいやのラーメン

階にあるから「にかいや」。
このあいだお邪魔した時はCW夏の陣をいただいたので
随分と基本メニューはいただいてなかったことに気づき
久々に基本のラーメンを「タマネギ、ニンニク」でお願いしました。

nikaiyam2ほどなくして登場したラーメン。
あれ?スープの色が違うけど?
レンゲで啜ってみると、魚粉の味がします。
カエシの甘さも抑えられていて
逆に醤油が立っているバランス。
全く違う味になっているといってもいい。
新しい感覚の和風ラーメン、って感じです。
そしておとなしくなってしまって不満だった麺も
以前のような硬めの存在感ある麺になっていました。
これはこれは、随分表情を変えたものです。

店主の中里さんにお話を伺ったところ
以前から魚粉を使ったスープにしたかったそうで
味を決めるのに時間がかかったのだとか。
昨年の秋くらいからこのスープでやっているそうです。
そして麺に関してはこれといっていじってないとのこと。
だったら熟成時間と茹で加減の関係かもしれないですね。

前と今のとどちらが好きか。
これはもう個人の趣味嗜好の問題だとは思いますが
個人的には前のスープの方が好みかなぁ。
少なくともこのスープには刻みニンニクは合いません。
無料トッピングは従来のままなので、
これは再考の余地がありそうですね。

そうそう、無料といえば
日替わり無料トッピングというのも登場しています。
店内の黒板に「本日の無料トッピング」と書かれています。
ちなみにこの日は「なると」が無料のようでした。

【関連記事】にかいやの超熱辛つけ麺
【にかいや@南柏レポ】

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2006/01/07

13湯麺の特製ぶっかけ

麺にはよく行きますが
そのうち半分は打ち合わせだったりで
ラーメン食べないことも多いんですね(殴打)
だから知らない内に味玉が終わって温玉になってたり
ぶっかけに「特製」なんてのがあったりして。
その「特製ぶっかけ」というモノを食してみました。

そもそも「ぶっかけ」なるメニューは
讃岐うどんなどにもある、麺に生醤油をたらした
非常にシンプルなメニューです。
13湯麺には麺が2種類ありますが、その太麺を使ったメニュー。
その「特製」とはいったい何なのか。

tonminb自慢の太麺は220gのボリュームで
十分食べ応えがある分量です。
そこに今が旬の矢切ネギを刻んだモノと
特製の挽肉、温玉が乗っています。
この温玉は厳密に言えば温泉玉子ではなく
黄身がゆるゆるなヤツなので
「正しい温泉玉子普及委員会」としては
ちょっと納得が行かなかったりするわけですが(^^;
このゆるゆる黄身を割って挽肉と共に混ぜて
生醤油をぶんまわしてワシワシと喰う。
旨くないはずがありません。

このメニューのポイントは挽肉の味付け。
ちょっと甘めに味付けられていて
効果的にニンニクが使われています。
このニンニクのバランスが突出しすぎず
かつ引っ込みすぎず、いいバランスなのです。
この挽肉で白いご飯が食べたくなります(笑)

挽肉の甘さと温玉のまろやかな味わいに
絡まれて一層旨さを増す自慢の太麺。
そしてダラダラしがちなこの味の構成を引き締める
ニンニクと生醤油のキレ味。
矢切ネギの香りと甘味もいいアクセントです。
簡単に作られているメニューではありますが
色々な表情を持っていて、十分楽しめます。

メニュー表には書かれていない、いわゆる「裏メニュー」。
ただ面倒臭くてメニュー表に書いてないだけのようですが(^^;
誰でも頼めるメニューですので、一度お試しを。

【13湯麺@五香レポ】
【関連記事】湯麺粥

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2005/09/25

熊のスライスチーズ

にある「らあめん熊」は
数ある宿題リストの中でも大型宿題店の一つでした。
オープンした当初にメールで情報をいただいたのですが
その情報によれば、熊本ラーメンを出している店で
そのラーメンにはスライスチーズが乗っているというのです。

ラーメン好きの方ならば、熊本ラーメンにチーズといえば
相模原、淵野辺の迷店…、いや名店である
「肥後っ子大石家」のことを連想するでしょう。
果たしてこの店は大石家と関係があるのでしょうか。
しかしネットで調べてみても、このお店の情報はあるものの
大石家との関係に言及した情報は引っかかって来ません。
これはやはり直接行って確認せねば、と思い
ようやく足を運んだらその日はたまたま定休日。。。
2度目はお店が火災に遭われたとのことで休業中。。。orz
ようやく、ようやく、ようやく行けたのですぅ〜(感涙)

kuma1店の前にぶら下げられた大きな垂れ幕。
そこには「豚骨スープ専門店」の文字と共に
大きく「熊」の文字が書かれています。
電気も煌々とついているじゃありませんか
3度目にして、ようやくお店が開いていたのです。
よかった、よかった、よかったよぅ〜(感涙)

ご夫婦で営まれているお店のようで
厨房にお二人で入られて仕事をされていました。
L字型のカウンターに座ってメニューに目をやると
基本と思われるラーメン、「らあめん並」の他に
「半らあめん」などというモノもありました。
これは麺が2/3玉になるそうで、女性や連食の方向けでしょう。
チーズは好みがあるので、要らない人は事前に言ってくださいと
メニューにはていねいに書かれています。
やはりチーズが入っているのです。
もちろん「らあめん並」を注文しました。

kuma2さて、出てきたラーメンを見ると
やはりスライスチーズがそのまんま乗っています。
スープも見た目よりもあっさりとしていて軽い感じ。
全体的にさらりと上品にまとめあげてあって、
どぎつくなくこざっぱりとした豚骨ラーメンという印象。
それでいて物足りなさを感じないのは、
やはりスライスチーズのコクなのかしら。
もも肉を使ったチャーシューもしっかりしていますし、
どっしり、しっかり、しっとりとした自家製麺の食感も心地いいです。
麺を啜るととろけたチーズが絡んでくるのも気持ちいいですね。

食べたのはもう何年も前の経験にはなるのですが、
かの大石家のラーメンと酷似していると思いました。
違う点があるとすれば、ラーメンではなくてお店の雰囲気。
落ち着いてゆっくりと食べることが出来ます(爆)
店主が一言も発しない寡黙な方だということでしょうか(^^;

食べ終わった後でご主人に確認しましたら
やはり「大石家」で修業をされたとのことでした。
それさえ確認できれば今回のミッションは完了です。
千葉で大石家出身のお店はここが初見ではないでしょうか。
ただし大石さんからラーメン作りを教わっているのは間違いないですが、
英語を教わったかまでは残念ながら聞けませんでした(笑)

【熊@柏レポ】
【大石家@淵野辺レポ】

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2005/09/24

寺子屋の責任

ーめん寺子屋がスタートして早3年。
松戸市空き店舗対策事業として始まった
らーめん寺子屋プロジェクト。
当初の我々の思惑としては、ラーメン屋さんを養成して
シャッター通りと揶揄された五香さくら通り商店会に
市などの援助の元で好条件で出店をしてもらうことで
お店も出しやすく、かつ商店会をラーメン通りにする、
といったような野望を持って始めたプロジェクトでした。

しかし、まぁそうこちらの思う通り運ぶわけがなく、
卒業していく方たちは皆自分の地元でお店をオープンします。
当たり前といえば当たり前ですよね(^^;
ただ、そんなことをやっている商店会だということで
テレビなどのマスコミには注目をされたようで、
その結果、寺子屋事業を始めてからというもの
他業種ではありますが、さくら通りに店を構えたいと
色々なお店がオープンするようになって
空き店舗が減っているというのだから、ま、結果オーライです(笑)

それから3年、9期の生徒さんを送り出して
一旦終了したプロジェクトではありましたが
各方面からの要請もあって、13湯麺の私塾として
新たなスタートを切っています。
現在は再スタート2期生、通算11期生の5名が
日々自分だけのラーメン作りを頑張っています。

一応講師として関わった皆さんのお店に
顔を出すのは当然の責務だろうと考えています。
とはいいながらも、現在全国に散らばっている卒業生。
すべての店を回るのはなかなか難しいです。
せめて県内、近県のお店には行きたいなと思っていますが
何せ3ヶ月ごとに何人もの方が卒業していきますので
なかなか行けずにいる店が数多く残っています。
「中島(2期生)@館山」「麺倶楽部(3期生)@我孫子」
「啓(4期生)@我孫子」「きっせい(5期生)@銚子」
「ろく(6期生)@野田」などのお店もまだ行けていません。
そして5期生篠崎さんが営む、新松戸「合氣」もそんなお店でした。
ようやく行くことが出来たのがこの9月も終わりの頃でした。

aiki1馬橋から新松戸を通り流山へ抜ける
ゆりの木通りはラーメン激戦区と言われます。
「角ふじ」「むつみ屋」「揚州商人」をはじめ
寺子屋6期生松原さんの営む「だいろく」もあります。
一本裏に入れば「ひがし」や「五本木」なども。
確かに人気実力のあるラーメン店が数多い通りですが
それもせいぜい新松戸のダイエーがある交差点まで。
そこから先になるとラーメン店はもちろん、
店そのものが少なくなります。
篠崎さんの「合氣」はそんな外れの路地裏にありました。

店の前には駐車スペースも確保されていますが
そのほとんどが車で埋まっていました。
L字カウンターの店内を見てもそれなりの着席率です。
ガラス張りの製麺室は自家製麺の証です。
基本の「合氣ラーメン」を券売機で買って
しばらく振りのご無礼を詫びて席に着きました。
非常にていねいな仕事ぶりを拝見しながら
ラーメンの出来上がるのを待つ時間は楽しいですよね。
そしてまたその仕事ぶりが非常に手際よくキビキビしていて
ラーメンの出来映えを期待させる仕事ぶりなのです。

aiki2出てきたラーメンは透明感のある醤油スープに、
細く綺麗な自家製手揉み縮れ麺が泳いでいます。
スープはいわゆる寺子屋系ではよく見られる
丸鶏ベースのあっさりスープなのですが
油分も適度にたくわえ、カエシの味わいも前に出ていて、
しっかりした旨味を持ったスープになっています。
具は肉厚のバラロールチャーシューが2枚に
ホウレンソウ、メンマ、ネギ、なるととシンプル。
自家製麺は見た目よりもコシがあって食感が力強い麺。
師匠の13湯麺の麺などよりもはるかに弾力を持っていて
細麺でありながら太麺のような存在感のある麺です。

なかなか来れなかった非礼をお詫びして
食後ご主人と色々とお話をしていたところ、
今月いっぱいでお店を閉めることにしたと伺いました。
なんでもっと早く来れなかったのか、と自分を悔いる気持ちと、
閉まる前に来れて良かったと思う気持ちが交錯し、
非常に複雑な想いを抱きました。

これは寺子屋出身者に限らずラーメン業界全体での話ですし
どんな業界でも少なからずあることではありますが
やはり志半ばにして店をたたんだりすることがよくあります。
立場上これまでも多くのお店から相談を受けたりしましたが
これだけ多くのラーメン屋さんが日々オープンする陰で
同じように多くのラーメン屋さんが店をたたんでいます。

今回の「合氣」がなぜ閉店したのか。
色々な事情が重なって閉店という決断が成されるわけで
それを一度来ただけの私が語ることは到底出来ませんが
定期的にお店に足を運んでラーメンを食べて
話を聞いたり、相談を受けたりしていれば
もしかしたら改善出来る部分があったのではないか。
そんな風に考えてしまいました。

「らーめん寺子屋」のコンセプト、守備範囲は
あくまでも3ヶ月でラーメンを作れるようにして
お店を立ち上げられるようにするところまでです。
寺子屋はFCでも何でもありませんので
看板料も一切取らず、材料を卸すこともなく
あとは自分の責任で頑張っていただくのが寺子屋流です。
そのためには5年は歯を食いしばれ、というのが
塾長の松井さんのモットーでもあります。

しかし、最近になって思うのです。
ここまで多くの卒業生を輩出するようになって
立ち上げた時よりも寺子屋の責任は重くなっているのではないか。
無論、最初から責任を持って運営をしてきたつもりですが
その範疇が果たしてお店を立ち上げるまででいいのだろうか、と。

寺子屋卒業生同士の情報交換会などもいいでしょうし
私なり松井さんなりが定期的に店を回るのもいいでしょう。
どういった形がいいのかは分かりませんが
アフターケアというか、そういうモノが今
らーめん寺子屋には必要ではないかと感じています。

もちろん業界初の画期的なラーメン店養成塾である
「らーめん寺子屋」としてやらなければならないという
責任感、義務感という部分もありますが
あんなに美味しいラーメンを出していた
篠崎さんの「合氣」が閉店することに直面して
単純に寺子屋から巣立った方たちが心を込めて作った
美味しい一杯のラーメンを失くしたくない、
そんな思いをあらためて強くしました。

【合氣@新松戸レポ(閉店)】
【らーめん寺子屋HP】

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2005/08/09

イブクロミチルの500円

のり台駅から程近い県道沿いに
また新しいラーメン店がオープンしました。
その名も「イブクロミチル」。
埼玉でラーメン店「まめぞう」4店舗を展開する
BEANS CORPORATIONの手掛ける
「ばんぶる」に続く新業態の店のようです。
しかし、なかなかユニークでインパクト有る店名です。
どことなく人の名前のようにも感じられますね(^^;
(イブクロって苗字も凄いですけど)

しかしこの県道沿いは八柱からみのり台、
松戸駅に抜ける国道6号に合流するまでは
県内でも有数のラーメン街道です。
むさし野、嘉夢蔵、めんぱち、貴生、とんとん丸…。
最近では忠吉、大島ラーメンなんかもオープンしてます。
そんな激戦区に登場したイブクロミチル。
いったいどんなラーメンを食べさせてくれるのでしょうか。

ibkrまず店の外観がなかなか派手な感じです。
手書きの大きな「イブクロミチル」の文字は
街道を走っていて、イヤでも目に入ってきます。
店先には提灯などもぶら下がっていて、
新しい雰囲気でありながらも、ちょっとレトロです。

そしてメニューに目をやってみると
ラーメン1種類で、そのトッピングなどで
バリエーションを持たせているようです。
基本の「ミチルラーメン」はその価格500円。
ワンコインで一杯のラーメンを食べさせようという
お店側の心意気にまず感動です。

私自身はラーメンは安くあるべき、
と思っている人間ではありませんが、
世の中にはまだまだラーメンは安い食べ物と認識している人も多い。
そういう人たちに対しては、この500円という価格は
意味があるというか、訴求力の高い設定であろうかと思います。
と同時に私達のようなラーメン好きからは
「で、どんなラーメンを喰わせるのよ、その値段で」
と、ちょっと嫌らしい見方もされてしまう金額です。
安かろう悪かろうでは意味がないわけですし(^^;

ibkrm基本の「ミチルラーメン」は、
結論からいえば十分満足出来る一杯でした。
これが500円だなんて、いやよく頑張りました。
具はチャーシュー、ゴマ、万能ネギと非常にシンプル。
まぁこれは価格が価格なだけに仕方ないところでしょう。
しかし、チャーシューも臭みがなくそれなりに柔らかく
美味しく食べられるチャーシューでした。

スープは白濁豚骨スープで醤油ダレ、といった
いわゆる豚骨醤油ラーメンといった様相です。
濃度や粘度には若干の物足りなさを覚えますが
500円という価格がそれを許すレベルです。
スープの表面には「特製黒香味油」と呼ばれる
真っ黒い香り油が浮いていて、ビジュアル的には美味しそうです。
この香り油は見た感じはいわゆるニンニク油のマー油の
ようにも見えますが、どちらかといえば焦がし葱のような
香りが前に出てくる油になっています。
いずれにしても食欲をそそると同時に
スープの弱さを補う役目もしているようです。

スープは濃度や粘度が低い分、醤油が立って感じます。
しかしそのカエシに入っている乾物系の旨味が
うまく動物系のうま味とカエシの醤油味の間を
繋いで補完しているバランスになっています。
麺はツルツルっとした多加水麺(菅野製麺)で
麺自体は悪くない麺なのですが、さらっとした豚骨スープなので
もうちょっとスープを拾ってくる麺の方が
よかったのではないかな、と思いました。

しかし、最初にも書きましたように
500円という価格が全てを許します。
これが650円とか言われたらムムッと思うところも
500円なら十分満足出来る。CPがいいラーメンと言えます。
若いスタッフの元気ある接客も爽快で心地よいです。
近隣に住む人は一度行っても損はないお店だと思います。

【イブクロミチル@みのり台レポ】
【BEANS HP】

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2005/08/08

花○2号店のスープ

子屋1期生の遠藤さんの店「麺屋花○」は、
遠藤さん自身が営む焼き鳥店のアイドルタイムを利用して始めた、
いわば「二毛作」「間借り」のお店でした。
豚骨と鶏をベースにしたラーメンを作っていますが
焼き鳥店だけあって、鶏素材には困らない。
ラーメン専門店ではなかなか使えないような
贅沢な素材の使い方をしています。
濃厚でパンチがあり、どこか懐かしさもある
和風のラーメンで人気を呼んでいるお店ですが、
その麺屋花○が2号店を出しました。

場所は「松戸市公設地方卸売市場北部市場」通称「北部市場」です。
松戸の卸売り市場は北部(八ヶ崎)と南部(松戸新田)の2つがあり
一時は一箇所に統合するという話も出ていたようですが
なかなかいい場所がない、ということに重ねて
市の財政を圧迫する要素にもなっているそうで
「民営化」に向けた検討が重ねられているのだとか。
ま、いずれにしてもこの2つある市場のうち
八ヶ崎の方の市場の中に花○の2号店が出来たわけです。
市場の中と言っても、普通に外から入れるので
市場を利用している人以外でも入れます。

木目調のお洒落な外観はちょっと古い市場の中で目立ちます。
店内はカウンターのみのシンプルな作りで、
外観から受けるイメージに較べるとポップで明るい雰囲気。
また店の奥にはもう一つの入口があって、
市場が開いている時間帯だとこちらの入口からも
お客さんが入って来れるようになっているようです。
駐車場は市場の駐車場を使えるようです。

hnmr看板メニューの「花○らーめん」は
13湯麺特製の細麺と太麺から選択が可能です。
好@国府台と同じタイプの麺のようですが、
モチモチっとした心地よい食感はさすが。
クセがないのに、存在感がある麺なんですよねぇ。
どちらもお薦めですが、個人的には太い麺が好きかも。

この2号店のスープは五香店とは違って
非常にさっぱりとした口当たりの和風スープになっています。
使用している素材の量が少ないのかと思い尋ねたところ
基本的に同じ素材、同じ分量で仕込んでいるのだそう。
しかし、寸胴に入れた後の煮込み時間は、
五香よりも遙かに短くなっています。
これがさっぱりと感じさせる味わいの秘密のようです。

開店当初は五香と同じ製法で同じ味のスープを出していたそうですが
市場で働く人たちに「こんな濃いの食べられないよ」と言われたのだとか。
確かに花○のスープは粘度もあって、かなり濃い目。
初めて食べた人は驚くかも知れません。
そこで、市場の人の好みに合わせていったところ
現在の濃度、味わいに落ち着いたのだそうです。
節系のうま味が前に出て、動物系のコクが下支えしているスープ。
一般受けしやすい味になっているとも言えますが
個人的にはこのバランスのスープも気に入りました。

五香の味とはまた違った2号店のスープ。
ぜひ一度食べに行っても損はない出来映えだと思います。
現在休業中の五香店も夏明けくらいには再開したいとのこと。
そうなったら五香と北部市場のお店を
食べ較べるのも楽しいかもしれませんね。

【花○@北部市場レポ】
【花○@五香レポ】

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2005/07/28

兎に角のラーメン

戸にあった「13湯麺HIDE」の跡地に
新しいラーメン屋さんが今月19日に出来ました。
なかなか足を運べずにいて、一度は振られてしまったのですが(^^;
この日ようやく行くことが出来ました。
一つの美味しいお店が姿を消すということは
それはとても哀しいことではありますが
同時に一つの新しい店が登場するということは
非常に嬉しくもあり楽しみでもあります。

白くて大きな看板には「ラーメンつけ麺 兎に角」の文字。
店の軒先には、夏らしく青く染め上げられた
店名入りの暖簾も涼しげに下げられています。
HIDE時代と店内のレイアウトは変化ないようにも見えますが
入ってすぐ左側にガラス張りの製麺室が作られていました。
外を歩く人へ自家製麺をアピール出来て
いい看板要素になっていると思います。

この店のご主人は津田沼の人気店「必勝軒」に
半年ほどいたことがある方です。
この系統のお店で修業された方は
やはり自家製麺に行き着くのでしょうね。

メニューは「ラーメン」と「つけ麺」の2本立て。
「自家製麺をたっぷり味わっていただきたくて、
普通盛でも少し多めになっています」
との表記があって、
普通盛で250gと書かれていました。
これは一般的なラーメンの麺の量から考えれば
1玉半といったところでしょうか。
ちなみに大盛は375gで100円増し、
特盛は500gで200円増し。
これはつけ麺でも同じ量、同じ値段のようです。

通常初めてのお店に伺う時は、基本のメニューを食べるようにしています。
しかしそのメニューの中にトッピングの燻製味玉子という文字を見つけてしまいました(^^;
こうなると、もう基本のメニューがどうした?とばかりに
迷わず「燻玉ラーメン」とオーダーしているワタシ。
この潔さは我ながら天晴れであるなぁ(苦笑)

tonikakuそして出てきたラーメン。
まずスープの色が非常に良く、食欲をそそる色です。
豚骨や鶏がベースになっていて粘度があるスープに
節系がかなり多めに投入されたバランスです。
この表現だけだと修業先のスープと変わらなく
読んでしまわれるかも知れませんが
その要素全てにおいて意図的に
一歩手前で止めているという印象を持ちました。
ゼラチン質から出る粘度、スープ自体の濃度、そして醤油などの味の強さ。
必勝軒のスープはそれぞれのレベルがかなり振り切れている、
どちらかと言えば若者向けにバランスが取られているのに対して、
兎に角のスープは必勝軒のスープの良さは残しつつも
他の年代の方も意識したような匙加減を感じるのです。

それはすなわち個性的な存在から、普遍的な一般的な存在への
移行であったり再構築ということになるわけですが、
それを単純に感じさせないのが燻製チャーシューと味玉の存在。
これは修業先にない+αの要素です。
スープにこの燻製臭が移ることによって
あまり他では出逢わないスープの香りと味になっています。
それがいいか悪いかは個人差があるとは思いますが
(私的にはせっかくのスープがちょっともったいない気もしました)
オリジナリティを持ったラーメンになっているのは立派です。

麺は太めでつるっとした表面の麺で、
歯ごたえもしっかり感じられました。
茹でる時には平ざるでうまく踊らせていましたが
必勝軒はテボ(振りざる)ですから、
もしかしたら他店でも修業経験がある方なのかもしれません。
ただスープとの絡みとなると若干存在感が弱くなってしまいます。
これは麺が弱いというよりもスープが強いのかもしれませんが。

またもう一つの看板メニューである「つけ麺」もいただきましたが、
こちらも「ラーメン」同様の、行き過ぎない一歩手前の丁度いいバランス。
濃度を持ったつけダレは、動物系のうま味と節系の香りがしっかりと感じられます。
甘味も酸味も、唐辛子の辛みも程良い程度で止めてある印象です。

味はもちろんレベルが高かったのですが、
接客や店の雰囲気作りでもレベルの高さを感じました。
ご主人と奥様、2人でやられているようですが
実ににこやかで清々しい接客、仕事ぶりでした。
客を無視するでもなく、逆に話し過ぎるわけでもなく。
ここらへんも修業先の一歩手前で止めてる感じかな(笑)。

今年は県内で有望な新店が多くオープンしている年ですが
この店もその筆頭に立つお店と言っていいでしょう。
今後にますます期待が持てる新店の登場です。

【兎に角@松戸レポ】

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2005/07/20

常勝軒の挑戦

勝軒なんだそうです(^^;
常磐エリアの大勝軒、といった意味を含んでいるのかどうかは
総帥田代さんに聞いてみないと分かりませんが
一目でみて大勝軒系列の店だということが分かり
常に勝つ、という意味もあって、いい店名だと思います。
大勝に必勝、そして常勝と来ました。
あとは連勝、単勝、複勝、えっと後はなんだろ(^^;

今回のお店のコンセプトは、いい意味での「脱・大勝軒」。
大勝軒の流れを汲んだメニューにしつつも
大勝軒という名前を使わないことで
大勝軒に縛られないメニュー開発が出来る。
そういう思惑があるのだと聞きました。
そしてその主役に「つけ麺」を据えたいのだとか。
つけ麺の専門店という位置づけにすることで
つけ麺で色々なことにチャレンジしたいのだと
高田統括本部長(37歳)が語っておりました。
そして「角ふじ」に並ぶブランドにしていきたいのだと
高田統括本部長(昭和43年生まれ)は語っておりました。

joshoken「醤油つけめん+全部のせ」を普通盛で食べてみました。
麺の盛りは50円刻みで
「中盛」「大盛」「特盛」「男盛」とあります。
最後のは「おとこざかり」とは読みません、多分(^^;
麺はいわゆる大勝軒系の麺帯を使っていて、
他の店よりも若干細めの切り刃を使っているようです。
つるっとした口当たり、モチモチした食感は相変わらず旨いです。
そしてつけダレはこれまでの佐貫系とは異なり、
甘さや酸味が抑えられたバランスになっていました。

大勝軒ではない、新しいことをやりたいという
そのコンセプトは、取りあえず今回の一杯では
あまり伝わって来ませんでした(^^;
しかし、佐貫系の新しいブランドとして
これからどのような展開を見せてくれるのか?
「常勝軒」がつけ麺の可能性に懸ける挑戦を
今後注目していきたいと思います。

【関連記事】山勝角ふじの麺
【田代笑店常勝軒@柏レポ】
【Kouji-Dream HP】

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2005/07/16

にかいやの超熱辛つけ麺

かいやのCW限定夏ラーメンは
「超熱辛つけ麺〜真夏のガマン大会」です。
取材時には残念ながらお店に伺えなかったので、
メニュー開始後におじゃましました。

ご主人の中里さんに御挨拶を済ませ、メニューを注文。
店内のポップには「あつからつけ麺」の文字があります。
特集の発売以降、限定メニューの注文はもちろん
普通のお客さんも増えているとのことで何よりです。
やはりこちらで企画した限定などをお願いしたお店の
掲載後の反応というのは気になるものです。

nikaiyatしばらくして「超熱辛つけ麺」が登場。
「熱いのでお気をつけください」という言葉が添えられ
出てきたつけダレは金属製の鍋に入っています。
グツグツとまでは言いませんが、見た目にも熱々。
真っ赤な色合いが熱さと辛さを感じさせます。
そしてそのつけダレと対照的なのが麺。
水で締められて、上には氷が乗せられています。
相反する麺とつけダレの融合を楽しもうという寸法です。

つけダレは見た目ほどの辛さはなく
辛口、旨辛といった印象でしょうか。
具として入っているプチトマトの酸味と
この店ならではの刻みニンニクが混ざり
イタリアンテイストも感じさせます。
さらにポーチドエッグ風の玉子は
つけダレの辛味をマイルドにします。

つけダレ自体の量は結構多めに入っていて
チャーシューやキャベツ、モヤシにニラなどの具も色々と入っています。
粘度や濃度はつけダレにしてはかなり軽めなので
つるっとしたこの店の麺との相性を考えると
正直今一つの感は否めませんでしたが、
逆につけダレというよりも、単体のスープとして楽しむならば、
かなり満足出来る味わいと量でした。
しかもこれで650円というのはかなり安い。

洋食などを経験したご主人ならではの力作。
18日までの限定メニューです。

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