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2005/06/03

一丁のしお

橋大神宮下の「らーめん一丁」は
香月系の「背脂チャッチャ系」の佳店です。
粒の揃ったきめ細かい背脂が綺麗に浮いたスープは
ラーメン食べ歩きを始めた当初、背脂チャッチャ系にはまり
篠崎の勝や、西新井の涌井に通っていた私としては
もう思い切りストライクゾーンのスープでした。
今から5年前、初めて雑誌の仕事をした時に
お薦めの店として紹介したのも一丁でした。

お店に行かれた方ならお分かりかも知れませんが、
店主の山口さんは、寡黙にラーメンを作るその姿から
頑なに己の味を守り極める、職人気質を持った方という
イメージがありました。
しかし、実際に色々と話してみると、そのイメージとは異なり
新しいことにも挑戦しようという創作意欲もかなり強い方でした。

そんな山口さんから、塩ラーメンを作ったから
時間のある時に食べに来て欲しいと連絡がきました。
山口さんはまずそういうことでは連絡をしてきません。
その山口さんが珍しく電話をしてきた。
これは余程自信があるに違いない。

icchoshioそして出てきた「しお」
正直言って驚かされました。
一丁の塩ラーメン、と聞いて
背脂が浮いてくるスープを想像した私は甘かった。
これ以上透明なスープはないんじゃないの?
というくらいクリアなスープ。
背脂どころか、油分もほとんど浮いていません。
過去に食べたモノでパッと思い浮かんだのは
13湯麺の塩湯麺(初期)と、二子玉川の鮎ラーメン。
麺がどのようになっているかが全て見渡せる透明度。
麺は通常の麺と同じ麺を使用しているようです。

スープから香ってくる甲殻類の香り。
焼いた海老のような香りがします。
レンゲでスープを啜ってみると海老の味わいが
まずふわっと漂って、その合間から焼き干しの
エッジが利いた旨味が見え隠れします。
節系や昆布の味わいも感じなくはないですが
印象として一番感じられるのは海老と焼き干し。
見た目同様にクリアな味わいで、塩もストレートな塩。
それもそのはず、動物系の素材を一切使っていないのだそう。
ベーススープ自体も昆布や魚介類しか使っていないとのこと。

通常のラーメンの場合、このような魚介の旨味が入った塩ダレに
例えば鶏の清湯スープなり、豚や鶏の白濁スープを合わせるのが
セオリーというか、一般的ではないかと思います。
しかし山口さんはそうすることで海老が死んでしまうことを嫌い
結果、動物系素材のスープで割ることを止めたのだそうです。

個人的な嗜好で言わせて貰うならば
ここに動物系の旨味が加われば、より深みが増すと思いました。
しかし、敢えて動物系を使わないと決めた山口さんの
このラーメンに対するポリシーが感じられて
作り手の顔が見えるラーメンになっているようにも思いました。

なかなか他ではお目にかかれない一杯だと思います。
千葉の拉麺好きの方には必修と申し上げておきましょう。
1日20〜30杯程度の限定メニューです。

【一丁@大神宮下レポ】

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