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2005/05/16

ラーメン施設の明暗

ginmenkーメン劇場の「極みだし銀麺」が
残念ながら20日をもって退店ということになりました。
昨年11月にティーヌンとして県内初出店したものの不調で
和風ラーメン店として今年2月にリニューアルしましたが
3ヶ月で退店することになってしまいました。

新横浜ラーメン博物館のヒット以来、
似たようなラーメン施設が全国に出来ました。
しかし、それはあくまでも「似たような」であって
本質的には「異なる」施設なのです。
それは内装がどうの、店選びがどうのといった
外面的な問題ではなく、あくまでも本質的な部分です。

ラーメン博物館はラーメンを食べる目的の施設ですが
他の大半のラーメン施設は、厳密に言えばラーメンコーナーであって
大型SCなり、駅ビルなり、映画館なりに付随しているもの。
ここが非常に重要なポイントなのです。

ラーメン博物館の中にいるお客さんは
間違いなくラーメンを食べに来ているお客さんです。
入場料を払ってまでも中に入ってきたお客さんです。
確実にミニラーメンであろうとも、食べ歩きをしようと考えています。
しかし例えばラーメン劇場の中にいるお客さんは
ラーメンを食べることが目的で来た人はほとんどいません。
大半は、ダイエーなりトイザらスなり、ゲームセンターなり
端的に言えば、ワンズモールへ買い物、遊びに来たお客さんです。
ラーメン博物館とラーメン劇場では
相手にする客の根本的な質が全く異なるのです。

この本質的な違いが、店の売り上げにも影響してきます。
ラーメン博物館の場合は、一人2〜3軒はハシゴするでしょうし
喉が渇けばジュースなども飲むでしょう。
半ば観光気分で来ている人もいますから物販もさばける。
ということは、施設全体で見た時の客単価が高いはずです。
客というパイを施設の中で上手に分け合っています。

またラーメン博物館に来るお客さんの心理としては
3軒食べるとすればバランスを考えるでしょう。
例えば「欅」で味噌を食べて、「ふくちゃん」で豚骨。
締めは「春木屋」であっさり醤油、といったような。
あるいは「蜂屋」で一風変わった味に挑戦しよう、といった
遊び心が生まれてきます。
つまり、ラーメン博物館でラーメンを食べることは「娯楽」です。

一方のSC付随型ラーメン施設の場合
いわゆるラーメンフリークを除けば、大半のお客さんは
1軒に絞り込んでラーメンを食べるはずです。
施設内全ての店が競合店となり、ようはパイの取り合いです。
ここでラーメンを食べることはあくまでも「食事」なのです。

そうなると、やはりバリエーションのある店が強い。
味噌でも塩でも醤油でもある、といったような。
ティーヌンしかり、銀麺しかり、この店の味やメニューは
やはり普通の買い物客が一番目に選ぶ味ではない、と思います。
つまりはこの退店が単純に銀麺の味の評価には繋がらないと思うのです。

そもそもラーメン劇場のような施設をSCなどに付随させる意味は
集客をより増やそうと考えるSCなどが
ラーメン施設に集まったお客さんを
そのSCなどに流していこう、という思惑があります。
しかし、今やどこにもそこにもラーメン施設が存在していて
ラーメン施設自体に目新しさ、吸引力はありません。
もう、一昔前のデパートの屋上のような、
いわゆる「シャワー効果」的なモノを
ラーメン施設に期待するような時代ではないと思うのです。

実際問題、現状は本来客寄せパンダ的な存在のラーメン施設が
SCに来ているお客さんをいかに取り込むかということに躍起です。
ラーメン劇場でサービスデーや割引合戦をしているのがその証拠でしょう。
逆に集客している施設、例えばJR船橋駅ビルのラーメン横丁なり
ららぽーとのパン屋ストリートなどの場合は
その施設がなくても母体となる駅やSCなどに集客力があるのです。

ラーメン施設全体としての統一感、コンセプト、
ミッション・ステートメントが明確でない施設は
いずれは淘汰されていくのだろうと思います。
だからこそ、ラーメン施設を経営される会社や
出店するお店の方々には、ぜひ頑張っていただいて
ラーメン施設を(で)やる意義、を今一度考えて欲しいと思います。

【関連記事】銀麺の極みだし
【銀麺@ラーメン劇場レポ】

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