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2005/04/13

和之介の鶏白湯

kazunosuke橋に先月オープンした新店「らーめん和之介」は
千葉中央の人気店「増田家」のセカンドブランド。
豚骨醤油、家系の本店とは全く違って
鶏ベースの白濁スープを提供しています。
いわゆる「鶏白湯」のラーメン店です。

店主増田さんは19歳で背脂ラーメン店を浦安に開業し
その後千葉で旭川ラーメン店を立ち上げて人気となり
そのお店を家系ラーメン店に衣替えするなど
数々のスタイルのラーメンを作ってきた人です。
またここ最近は他の外食にも力を入れて
地鶏炭焼きの店「和坊」や、魚居酒屋「和ひろ」など
千葉中央を中心に店舗を広げています。

この「和坊」にある「鶏麺」というラーメンが
和坊の常連さんにも好評のようで
飲んだ締めに鶏麺を食べるというのが
和坊での定番コースになっているようです。
もちろん千葉のラーメン好きの中でも評判がよく
これで単体の店を立ち上げて欲しい、というような
ラーメン好きならではの要望も多かったようです。

それが後押しになったかどうかは分かりませんが
和坊の鶏麺をメインに据えたラーメン店を作りたい。
昨年あたりから増田さんは考えていたようです。
当初は千葉中央近辺での物件も考えていたようですが
最終的に船橋への進出となりました。

和坊の鶏麺は茜鶏を使った濃厚な鶏白濁スープに
醤油の効いたカエシが特徴的で
ある意味ヘビーで、非常に濃厚なうま味を持った
およそ飲み屋では出てこないような本格的なラーメンでした。

しかしその反面、それは飲み屋だからこそ出せる
飲んだ後の締めだからこそ味わえるバランスで
丼も小さく、量も当然少なめになっていました。
さすがにそれを400ccのスープ、150gの麺で食するのは
途中で飽きも来ますし、しつこさも出てきてしまう。

そこで一杯のラーメンとして食べさせるために
濃度も落とし、バランスも変えたようです。
鶏も昨年末のイベントで使った房総赤鶏にチェンジ。
麺もこれまでの麺屋さんからカネジン食品の麺へ変更。
鶏麺のイメージを継承した、新しいラーメンといっていいでしょう。
名前も「和風らーめん」となりました。
濃度を落としたとはいえ、鶏麺を知らない方からすれば
しっかりとした濃厚なボディを感じるでしょうし
節系の和ダシもスープの底を支えています。

新しいラーメン、といえば
この店の看板メニューとして登場したのは
実はこの「和風」ではなく「鶏白湯」。
スープベースは和風と全く同じ、鶏の白濁スープ。
それを塩味のカエシでまとめていますので
当然醤油味よりもスープの素性がストレートに感じます。
そうすると分かるのが、口当たりのさらり感と相反する
どっしりとした重みのあるスープだということ。
どことなく和坊の「水炊き」を連想させる味です。

この新しい鶏白湯ラーメン、決して悪くはないのですが
現段階の完成度ではどうしても「和風」に分があります。
というのも、この鶏白湯の方は油が加えられていないのです。
私は個人的に「油」もラーメンがラーメンたる上で
不可欠な要素の一つだと考えていますので
油がないラーメンはラーメンのように感じないのです。
それはまるで薬膳スープを口にしているような
そんな錯覚にとらわれてしまうのです。

そしてスープの素性をストレートに感じさせる味だからこそ
具材にも気をつかって欲しかったと思います。
チャーシューやメンマなどは醤油で味付けされていて
簡単にいえば、和風と同じ具材を流用しています。
せっかくの新しいラーメンなのにそこがもったいない。
具の存在意義、必然性が皆無なのです。
ラーメンとして、あるいは一つの料理としてのアンバランスさ。
現段階で私が鶏白湯よりも和風を薦めるのはこの点です。

しかし油を使わないというアプローチ自体はやりがいもあり
非常に可能性を感じるテーマであることは確かです。
仮にその食べ物がこれまでのラーメンの概念内に収まらなくてもいい。
今までにない新しいラーメンを作るんだ、という気概が強く感じられます。
おそらくこれからこの鶏白湯は更に変化、進化していくでしょう。
その変化と、増田さんの今後の取り組みを見守りたいと思います。

【らーめん和之介@船橋レポ】

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